税理士のためのクラウド税務・会計・給与システム

税理士のためのクラウド税務・会計・給与システム
A-SaaS公式ブログ

『中小企業の事業承継に関する調査』で読み解く現状と「相談相手」

カテゴリー: ビジネス
Tags: , ,

中小企業の事業承継に関するインターネット調査」(日本政策金融公庫)によると、
中小企業経営者の実に50%が「将来的に廃業予定」と回答したそうです。
さらに、廃業理由のうち約30%を占めるのが「後継者難」だったこともあり、事業承継の難しさが改めて明らかになりました。

そこで今回は、「中小企業の事業承継の実態」と「悩み別に相談すべき先」などを整理してみました。

iStock_000011043192_Small

「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」で読み解く、中小企業の事業承継の現状とは?

「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」とは、
中小企業経営者にとっての事業承継に関する意識調査のために、日本政策金融公庫が実施した調査です。

もともと、2007年度に旧国民生活金融公庫が取引先(小規模企業)を対象として実施したことのが初回でした。
(前身を含めて)3回目の調査となった今回、調査対象が日本政策金融公庫と取引関係のない中小企業全体へと拡大されました。

▼調査概要
・時期: 2015年9月
・調査手段: インターネット調査
・調査対象: 「会社や団体の経営者」「個人事業主」「自由業」など約4000人
※調査がより社会の実態に沿うよう、集計ウェイトが設定されています。
報告書によれば、調査結果は以下の通りです。

1 廃業予定企業は半数を占める
後継者の決定状況等をもとに中小企業を「決定企業」(後継者が決まっており、後継者本人も承諾している企業)、「未定企業」(事業承継の意向はあるが、後継者が決まっていない企業)、「廃業予定企業」(自分の代で事業をやめるつもりの企業)、「時期尚早企業」(自分がまだ若いので、後継者を今は決める必要がない企業)に分類すると、決定企業は 12.4%にすぎず、未定企業は 21.8%、廃業予定企業は 50.0%を占める。

2 廃業予定企業は金融機関からの借入残高がないなど、廃業を容易に決断できる
廃業予定企業の多くは、従業員が少ない、金融機関からの借り入れがない、業績や将来の見通しが暗いなど、廃業することを容易に決断でき
る環境にある。経営者の廃業予定年齢は平均 71.1 歳であり、経営者の加齢とともに緩やかな速度で市場から退出するものと思われる。

3 未定企業は親族への事業承継以外に選択肢を広げている
未定企業には、親族以外(従業員や社外の人など)への事業承継や、企業の売却など、親族への事業承継以外に選択肢を広げている
企業が少なくない。そのような選択肢を実現できるような支援策が求められる。

(出典: 日本政策金融公庫「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」)

ここで特に着目したいのが、調査対象のうち 21.8 %(758社)が事業の継続を決めかねているという事実です。

その理由の内訳をみると、「現在、後継者を探している」(7.7%)が最も多く、
その後「後継者にしたい人はいるが、本人がまだ若い 」(6.0%)、
「後継者の候補が複数おり、誰を選ぶかまだ決めかねている」(3.5%)と続いています。

すなわち、事業承継の意欲はありながらも、「人材の問題」がクリアされていないために実現していない企業も多いことが読み取れます。

 

中小企業にとって身近な相談先とは?

このような課題もあって、行政官庁でも円滑な事業承継を支援する動きがあります。

代表的なのは、中小企業庁から公表されている「事業引継ぎガイドライン」です。
このガイドラインでは、M&A(企業買収)や個人譲渡などの事業承継プロセスに沿って具体的なガイダンスが示されています。

しかし、実際にガイドラインを参照するにしても、
「『後継者探し』や『具体的な事業承継の手順』の相談先がなかなか見つからない…」という方も多いことでしょう。
このような場合、そもそも誰にどのように問題の解決策を提案してもらうのが良いのでしょうか?

その点については、少し古い資料にはなりますが、平成23年の「中小企業事業承継ハンドブック」(中小企業庁)が参考になります。
この資料では、事業承継時のそれぞれの課題に関する相談先が具体的に列挙されています。
事業承継(出典:中小企業庁「中小企業事業承継ハンドブック 29問29答 平成23年度税制改正対応版」)
こちらの図によれば、税務対策や経営相談などの課題にそって相談相手を見極めることができます
ただし、その場合には中小企業の経営者自身に大きな負荷が掛かってしまうというデメリットも一面にあります。

この点、最近では事業承継の経験が豊富な専門家(例えば税理士・公認会計士・弁護士などの士業先生)も多くいらっしゃいます。
もし相談先に迷われるようであれば、まずは身近な専門家でもある顧問税理士にご相談されるのが良いでしょう

また、その他にも中小機構などの行政相談窓口も設置されているので、こちらも選択肢になるかもしれません。
このように事業承継の手段・相談相手には多くの選択肢がありますが、まずは身近な専門家に気軽に相談してみてはいかがでしょうか?
後世に残る事業をスムーズに承継していくため、ぜひご参考ください!

A-SaaSでは税理士業務に役立つ情報・ツールを提供しています。