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「生活者1万人アンケート調査」で学ぶ、調査レポートの読み方

カテゴリー: ビジネス
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野村総合研究所が3年おきに行っている、「生活者1万人アンケート」調査。
本年の結果が、11月17日報じられました。
(引用元:  https://www.nri.com/jp/news/2015/151117_1.aspx )

 

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「生活者1万人アンケート調査」とは?

このアンケートは主に、日常生活における考え方や消費の実態などに関する質問を中心に構成される消費者アンケートです。
野村総研が1997年以降 3年おきに調査を実施しており、今回(2015年7〜8月/7回目)は15~79歳の男女1万人を対象に実施したアンケートでした。(2009年までは満15~69歳の男女個人が対象だったが、2012年以降は70代まで拡大。)

アンケート結果から「モバイル端末普及による購買行動の変化」が読み取れる

野村総研ニュースリリースによれば、下記2点に要約して検証結果が報告されています。

① 共働き世帯増加とスマートフォン普及を背景に、「利便性」重視の消費スタイルが伸長
モバイル情報端末の普及と、夫婦ともに忙しい共働き世帯の増加により、「価格にあまりこだわらず、便利な手段を利用して欲しいものを買う」というスタイルの増加がみられる。
②インターネット通販利用がさらに拡大したが、リアル店舗の重視度はいまだ高い
「インターネット通販を利用する人の割合」が、いずれの世代でも増加。特に、20代に至っては70%がオンラインショッピングを利用すると回答。年間のインターネット通販利用率も、平均値は14.8回/年で、1ヶ月に1回以上使用する計算。

ニュースリリース上、これらの変化は特定の世代に偏った傾向として報告されていないため、(学生時代からデジタル環境に慣れてきた)デジタルネイティブ世代が年齢を重ねていることの影響というより、全世代でデジタル化の変化が生じていると読み取ることが自然かもしれません。
振り返ってみると、2012~15年といえば、”Fril”や”メルカリ”といったスマホで使えるフリマアプリやFinTech関連のサービス提供開始など、「ネットで買う」ことを身近にするツールが普及してきた時期でもありますね。

調査レポートは、「変化」と「水準」で読み解く

さて、このように数字の多い調査レポートを独自に読み解く場合、どのような観点を加えるべきでしょうか?
A-SaaSの中にも、大手会計ファームで経済レポート分析の経験を豊富に積んだメンバーがいましたので、少し話を聞いてみました。

彼が言うには…

– 2点間比較の結果は、必ずしも「傾向」を意味しない。

例えば今回、2012年→2015年の変化をとらえて「増加傾向」「減少傾向」といったことは推定できるでしょうか?
この場合、変化が「傾向」なのか「偶然の変化」なのかは必ずしも定かではありません。
もちろん、大手シンクタンクの調査では”調査サンプルの偏り”には細心の注意が払われていますが、2点間の変化のなかから要素を漏れなく洗い出すことは極めて難しいものです。(今回の場合、2012年→2015年の3年間の間に、複雑極まる経済環境の変化のすべてを抽出・検討することは人間業では不可能…)

そのため、2点間比較の結果を「傾向」とみなすことは出来ない点に注意が必要です。
ただし、事前期待と大きく異なる変化(かつてない急激な変化など)については、何らかの要因の存在を疑うべきでしょう。

-「変化」だけではなく、「水準」にも注目!

各時点の調査結果に変化がなくても、そのなかに着目すべき点がひそんでいるケースもあります。
その際たる例は「水準の高低」です。
ただしその場合、水準の「高い」「低い」といった判断が過度に主観的にならないような配慮は必要です。
例えば、要素間の比較(例えば、今回のレポートでいえば恒常的な世代間の差異など)をすることで、高低差を定量的にあぶり出す方法などが手っ取り早いでしょう。

…だそうです。

情報量が加速的に増えていく昨今の情報化社会。
時折、じっくりと文献・データと向き合う時間がございましたら、ぜひご参考ください。

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