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福岡の「いい税理士」座談会で見えた!「いい税理士」の条件とは?

カテゴリー: いい税理士

国税庁が「チャットボット」による税務相談を試験的に導入することを発表するなど、AIの台頭は着実に進んでいます。今後、税務代理の価値はますます逓減していくことが予想されます。

そのような状況にある今、中小企業に求められる税理士の「真価」とは何か?九州地方では初の開催となった「いい税理士」座談会で、福岡県、熊本県、宮崎県の「いい税理士」の方々にお集まりいただきお話を伺いました。

九州初上陸!福岡で「いい税理士」座談会を開催しました

2014年に「グローバル創業・雇用創出特区」に選ばれた福岡市は、大都市の中で最も開業率が高いと言われています(7.04% 2015年度 ※)。さらに、九州地方は「人情」に篤い土地柄であり、老舗の経営者と開業したての経営者とが集まるコミュニティも多いそうです。

そんな福岡で、今後の税理士の在り方についてのヒントを探るため、福岡県、熊本県、宮崎県の「いい税理士」のみなさまにお集まりいただきました。

※出所:公益財団法人福岡アジア都市研究所

▼ご参加いただいた方

事務所名・会社名 氏名 ※五十音順 都道府県
湯通堂恒税理士事務所 上門 明人  様 宮崎県
熊谷誠税理士事務所 熊谷 誠   様 福岡県
熊谷誠税理士事務所 隈元 圭介  様 福岡県
税理士法人 三小田 三小田 友希 様 福岡県
株式会社 C&A 高濱  亮  様 熊本県
花園税理士事務所 花園  崇  様 福岡県

 

経営者が困ったときに「相談したくなる」のが「いい税理士」の条件

ご参加いただいたみなさんに、「いい税理士」の条件を伺いました。

・顧問先の黒字経営を推進できる
・経営が悪化した顧問先の事業を再生できる
・経営者に明るく接し、未来をポジティブに考えさせることができる

さらには、税理士自身が「稼げている」という条件まで挙がり、様々な意見を基に議論は大いに盛り上がりました。

上門:自分(税理士)が儲かっていないのに、人(顧問先)を黒字化させることは出来ません。顧問先が利益を出して事業を継続して発展する、社会に貢献する、そして私たちもきちんと報酬をいただく。そうすることで、税理士の仕事がより魅力的になっていくと思います。

 

様々な意見の中で共通していたのは、経営者が「相談しやすい」という条件でした。特に、経営者が困ったときこそ、いかに相談してもらえるのか。やはり、経営者との信頼関係を築けることが「いい税理士」にとって重要なようです。

三小田:新しいお客様がよくおっしゃるのは「前の税理士は全然行動してくれなかった」「きちんとしたコミュニケーションが取れなかった」といったことです。お客様は税理士に対して、税務に関する知識以上に、より相談がしやすい、すぐに対応してくれる、という「安心感」や「信頼」を求めているのだと感じています。

 

隈元:中小企業は、税務関連ではないところにこそ大きな問題を抱えています。経営者から税務以外の問題まで相談してもらえるのかどうか。それが「いい税理士」かどうかの分かれ目だと思います。本日お集まりのみなさんが、どのように経営者と信頼関係を築いているのか、とても興味があります。

 

花園:お客様先にお伺いすると、様々なご相談をいただきます。法律や労務関連、時にはご自身の離婚に関することまで。最初のころは、その場で応えられないことだらけでした。しかし、持ち帰ってでも相談に応えていくうちに、徐々に経営者からの信頼が厚くなっていくのを感じました。
「相談しやすさ」が、税理士として一番重要だと思っています。結果的に専門家に相談することもありますが、必ず自分が一次受けして経営者と一緒に考えることが大事です。経営者に、「一番最初に相談したい」と思ってもらえる存在でありたいです。

 

税務申告は無くなる?それでも「顧問を継続してくれ」と言われるために

AIの台頭や自動化がどんなに進んでも、課税制度がある限り税理士の業務が無くなることはない。そんな意見もあるようです。しかし、座談会にご参加いただいたみなさんの多くが、「今、税理士は岐路に立たされている」という危機感をお持ちでした。

隈元:今、中小企業に求められる「価値」とは何か。それが税務なのか、経営なのか、正直に言って迷っています。税理士の独占業務は税務代理です。経営顧問の分野に入りすぎてしまうと、税理士じゃなくてもいい、という話になってしまうのでないかとも思うのです。そうすると、経営コンサルタントが競合になってきます。
一方で、国税庁が税務相談にチャットボットを導入すると言い出しました。税務申告だけでなく税務相談すらなくなってしまうのかと、やはり危機感は強くあります。

 

熊谷:税理士として、25年間に渡り中小企業のために活動してきました。徹底的に支援したいという気持ちは当然にあります。しかし、どこまで顧問先の経営に踏み込むべきなのか。悩ましいところです。

 

あくまで税務のプロとしてあるべきなのか。それとも、経営に踏み込んで中小企業を支援していくべきなのか。さらには、どこまで顧問先に深く入り込んで支援していくべきなのか。税理士として進むべき方向について、迷いや葛藤を抱えていらっしゃる姿も垣間見えました。

高濱:税務申告は遅かれ早かれ無くなってしまうのではないでしょうか。「税務申告はもう必要ありません」と国税庁が言い出す可能性は十分にあります。そうすると、中小企業からは「先生への顧問料はもう要らなくなるんですか?」と言われてしまうでしょう。
そのような未来が訪れたときに「税務申告はなくても先生に顧問を継続してほしい」と言ってくれるお客様がどれだけいるのか。そういったお客様をこれからどこまで増やしていけるのか。それが、今、税理士が直面している課題だと思います。

 

それでは、中小企業の経営者に「それでも顧問を継続してくれ」と言ってもらうためには、何が必要なのでしょうか。

高濱:みなさんがずっとお話されていたことが答えだと思います。いかにして、経営者の「困りごと」の解決に共に取り組んでいけるか、それに尽きます。「共に」というのがキーワードです。お客様の課題は、税理士が解決するものではありません。しかし、経営者一人で解決するものでもないと思います。
税理士と経営コンサルタントは違います。経営コンサルはスポットが基本なのに対して、税理士は継続して支援していくことが前提です。税理士の方が成果を出しているケースはいくらでもあります。
税理士は経営者の身近にいて一番最初に相談ができる相手。経営全体を見た上でアドバイスができる。豊富な知識と経験で課題を解決に導き、お客さんの成長を促していける心強い存在です。それができれば、お客さんのためになるし、自分たちも豊かになる。そういった関係性を築いていくことが重要だと思います。

 

人情溢れる九州から、「いい税理士」の輪が広がる

今回の座談会では、みなさまが顧問先のために、具体的にどのような支援をされているのかを伺うことができました。経営会議にも参加し、社長とスタッフの橋渡しをするという隈元様のお話や、職場環境が変わることで前向きに働く意欲が湧くという理由で、顧問先の事業所の掃除を手伝うという三小田様のお話など、税務顧問に代わる価値を提供するために、日々奮闘されているお姿を伺うことができました。

ちなみに、みなさんが経営者との距離を近づける一番の方法は「お酒を一緒に呑み交わすこと」だということです。人情味溢れる九州地区には、まだまだ「いい税理士」さんが沢山いらっしゃいそうです。九州地区で「いい税理士」の輪が広がっていくことを期待しています。

お忙しい中、遠方からもお集まりいただいたみなさま、ご参加いただき本当にありがとうございました。みなさまが経営者の「お困りごと」に全力で応えられるように、エーサースも頑張ってまいります!

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