税理士のためのクラウド税務・会計・給与システム

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A-SaaS公式ブログ

A-SaaS公式ブログ開設記念《特別対談》【前編】
「“IT”は税理士の生き残りをかけた最重要キーワード」
安田信彦税理士が語る税理士事務所×テクノロジー、“今”と“これから”

カテゴリー: 税理士

東京都中央区にオフィスを構える「さくら中央税理士法人(代表社員:安田信彦氏)」。ペーパーレス化を促進し、全スタッフの執務用デスクにトリプルディスプレイ方式を導入するなど、業務の効率化が徹底されています。

自分自身が試行錯誤しながらオフィス環境のIT 化を促進してきた安田信彦先生は「“IT”は今後税理士事務所が生き残っていくための最重要キーワード。怖がらずに、どんどん飛び込んでみるべき」と語ります。
「情報は持っているだけでは陳腐化する」との信条から、2005年12月からは「無料事務所見学会」を定期開催して積極的にそのノウハウの提供に努めるなど、「税理士事務所」の枠に収まらず、周辺業界のIT化へも熱心に取り組む姿勢が話題となっています。

税理士業界に、なぜITが必要なのか。お客様(顧問先企業)との関係性にどう影響するのか。そして、未来に何をもたらすのか。安田先生の実体験に基づいた見解を伺いました。

受付には電話代わりのiPad
受付には電話代わりのiPad。巨大モニターには予定時刻に合わせて来訪者名が表示される仕組み。

「お客様との関係を深め、事業拡大の基盤に」
最新テクノロジー活用ノウハウを提供し、業界成長の好循環を作り出す

佐野 安田先生のオフィスはITの活用が非常に進んでいらっしゃいますね。ただ、税理士業界全体を見渡したとき、まだまだ効率化の余地があるように見えます。

安田 もともと税理士事務所の業務というものは紙ベースで成り立っていたんですよ。そこで大きなエポックメイキングとなったのが「電子申告」。電子申告が開始されて初めて、税理士はIT、すなわちインターネットを業務に導入する必然性ができたわけです。ただ、それはあくまでも、「ひとつ仕事のやり方が増えました」というだけの話。多くの事務所では、それ以外の何かが変わったということではないんですよ。

佐野 なるほど。インターネットは導入されたとしても、業務のあり方自体が変わったわけではないのですね。

「税理士業務は、ITからは切り離せない」

「税理士業務は、ITからは切り離せない」

安田 そうです。当オフィスでは現在、企業の経理部門や他の税理士事務所の先生や職員の方を対象に、オフィス内をご覧いただきながら、その導入ノウハウを学んでいただく「無料事務所見学会」を定期的に開催しています。
ただ、100人の方が来てくださったとして、実際にペーパーレス化や業務の効率化など、具体的な行動を起こせる方は一握りです。

佐野 現状を大きく変えるのは非常に難しいことなのですね。

安田 そうですね。ただ、自然科学者のダーウィンの言葉にもあるように、変化し続けることこそが生存の道を拓くのです。電子申告が始まってから、我々の業界もすでにITから切り離せなくなっている。その事実を受け入れて、変化に飛び込める税理士事務所が生き残っていくと思っています。
その流れの中に、会計・税務業務にクラウドを取り入れるということも含まれてくるわけです。

「最新テクノロジーを駆使し、提供価値を高める」

佐野 税理士事務所にとってITは生き残っていくための重要なキーワード。完全に「やるべきもの」となっているのですね。

安田 私はそう思っています。最新のテクノロジーを駆使することで、お客様に提供できる価値は格段に高まると思います。
例えば、先日、こんなエピソードがありました。
私のお客様で、3名で起業し、社長さんを含む全員が営業として外を飛び回っているという顧問先企業があります。そちらには経理の専任担当者がいないんです。 そのようなお客様に、具体的に「何をして差し上げられるか」ということです。
わたしはまず、その社長さんに「書類のスキャニングができるか」を聞いてみました。すると「できます」とのこと。それなら、何をすべきかは明確です。社長さんには思いっきり営業を頑張っていただいたほうが良いに決まっている。その日に手にした領収書など紙の書類をデータ化して、日々送ってくだされば、すべてわたくしどもで整理できますし、経理を代行できるのです。
税理士事務所にとって、領収書の「現物」が重要だった時代は終わりつつあります。規制が緩和され、スキャニングしたデータにタイムスタンプを付与して保存すればよいという時代がすぐそこまできています。
ITをうまく活用することで、お客様へのサービスの幅が広がり、事務所の情報収集・管理の基盤が整います。
今後我々の事業を拡大しやすくし、そのために必要な準備も同時にできるのです。

「ITは難しいという思い込みから脱却を」

佐野 未来の事業展開の可能性を広げてくれるITですが、先ほど、多くの税理士事務所にとって、現状を変えるべく行動に移すことが難しいとのお話がありました。それはなぜなのでしょうか?

安田 多くの方に「ITは難しく、とっつきにくいもの」だという思い込みがあるのでしょう。フェイスブックやインターネットで、「税理士事務所のIT活用を支援する」というビジネスは非常にたくさん見受けられます。ただ、その大部分は、「あなたの事務所をIT化してくれる会社を紹介しますよ」というもの。または、パソコンを買って、スキャナを買って、「ほら、やってごらんなさい」という「モノの提供」でしかないのです。それだけでは、「税理士事務所のIT化」は促進できない。「こういう道具があるから、こう使うと、このようなことが便利にできるようになるんですよ」「このように説明して、お客様からデータを頂くんですよ」とノウハウやソリューションを提供して、初めてIT化に踏み出せる事務所が出てくるのです。「無料事務所見学会」はそのような事務所が生まれることを願って開催しています。
わたしどもの事務所のIT化は、ある程度完成されつつある。そのノウハウを積極的に発信して、そこで試してくださる方がいて、フィードバックを頂くことで思わぬ発見や気づきがあります。我々はその知見を得ることで、さらに成長することができるという好循環が生まれるのです。

好循環

佐野 ノウハウの発信から生まれる好循環こそが、さくら中央税理士法人の取り組みをさらに進化させ、税理士業界全体のIT化につながっていくのですね。

–「後編」では、安田先生がIT化を目指すこととなったきっかけ、IT化を通して実現したい「次世代」の姿について、お話を伺います。

プロフィール

安田 信彦(やすだ のぶひこ)/さくら中央税理士法人代表社員
1956年生まれ。平成2年税理士登録
東京税理士会情報システム委員 東京税理士会日本橋支部所属
2010年東京税理士会主催の情報フォーラム『税理士事務所IT化コンテスト』において最優秀賞を受賞。定期的に開催している無料の事務所見学会には全国から参加する多くの税理士、経営者、ITシステム担当者に対してさまざまなソリューションを提案し続けている。

A-SaaSでは税理士業務に役立つ情報・ツールを提供しています。